MI成功の鍵はデータにあり!攻めのデータ活用戦略で未来を拓く

MI成功の鍵はデータにあり!攻めのデータ活用戦略で未来を拓く

今回は、ご好評いただいております「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)で未来を拓く」シリーズの第3話、「MI導入成功の鍵!データ活用戦略」をお届けします。
MIを成功させるためには、質の高いデータをいかに収集・管理し、活用するかが最も重要です。 本記事では、MIを効果的に活用するためのデータ戦略について、具体的な事例を交えながら解説します。

MIで扱うべきデータとは?

MIを効果的に活用するためには、実験データ、計算データ、そして文献データという3種類のデータを戦略的に収集・統合することが不可欠です。
これらのデータを組み合わせることで、より精度の高い予測モデルを構築し、材料開発を加速させることができます。

  
  • 実験データ:  材料の組成やプロセス条件、そしてそれによって得られた物性値や性能評価の結果など、実際の実験から得られる情報です。
  • 計算データ:  第一原理計算や分子動力学シミュレーションなど、物理法則に基づいて計算される材料の電子状態や構造に関するデータです。
  • 文献データ:  過去の論文や特許、技術報告書などに記載されている既存の材料に関する知見です。

これら多様なデータを収集・整理し、MIで活用できる形式に整える「データクレンジング」「データ統合」のプロセスが、MIプロジェクトの成否を分けると言っても過言ではありません。

【事例】大手化学メーカーのA社が挑むMI時代のデータ活用戦略

大手化学メーカーのA社では、MIを全社的に推進するため、データの戦略的活用取り組んでいます。
同社では、研究員が実験ノートに手書きしていたデータを電子化し、一元的に管理するシステムを構築しました。
このシステムでは、単に実験結果をデジタル化するだけでなく、実験の目的や背景、プロセスといった「メタデータ」も併せて記録することを徹底しています。
これにより、後からデータを見返した際に、なぜその実験が行われたのかという文脈を含めて理解することが可能となり、データの価値を最大限に引き出すことに成功しています。

このように、日々の研究開発活動で生み出されるデータを、いかにして「使えるデータ」として蓄積していくかが、MI時代の競争力の源泉となるのです。

データ分析とAI・機械学習の連携がもたらす進化

収集・整備されたデータは、AI(人工知能)や機械学習のアルゴリズムを 用いて分析することで、その真価を発揮します。
材料の特性を予測するモデルを構築したり、望ましい特性を持つ未知の材料の組み合わせを提案したりすることが可能になります。
例えば、ある特性を持つ新材料を開発したい場合、過去の膨大なデータの中から、目的の特性と関連性の高い要素(組成、プロセス条件など)をAIが自動で抽出し、最適な実験計画を提案してくれます。
これにより、従来の手法では見過ごされていたような、新たな視点での材料開発が期待できます。
データ分析の重要性はますます高まっており、AIや機械学習との連携によって、MIはさらなる進化を遂げていくでしょう。

次回は、第4話「人材育成が重要!MI時代の組織作り」と題し、MIを推進していくための人材や組織のあり方について解説します。
どうぞご期待ください。

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私たちは、絵に描いた餅で終わらない、成果に直結するMI導入をご支援します。

  1. 【Step1】現状把握と課題の明確化(見える化)
    まずは貴社の研究開発部門に伺い、現状の業務プロセス、データの管理状況、そして経営層が感じている課題を徹底的にヒアリングします。その上で、どこにMIを適用すれば最も効果的か、具体的な導入テーマを複数ご提案します。
  2. 【Step2】スモールスタートによる成功体験の創出
    最初から大規模な投資は行いません。ご提案したテーマの中から最も成功確率の高いものを選び、PoC(概念実証)としてスモールスタートで取り組みます。
    短期間で「MIは本当に使える」という成功体験を社内に創出することが、全社展開への力強い推進力となります。
  3. 【Step3】データ活用文化の醸成と全社展開
    PoCの成功モデルを基に、他の部署やテーマへの横展開を計画します。
    同時に、MIを使いこなすための人材育成や、データドリブンな意思決定が根付く組織文化の醸成までをトータルでサポート。 貴社の持続的な競争力強化に貢献します。

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