
有機材料、無機材料、金属材料等、材料開発の効率化を実現するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)とは
- AI活用
- MI活用
- 製造業
皆様、お世話になっております 船井総合研究所 AI推進室 石倉です。
昨年のAIコンサルティング部から、AI推進室へ組織変更され、企業のAI導入について、ご支援させて頂きます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
さて、近年、製造業を取り巻く環境は激変しており、グローバル競争の激化、顧客ニーズの多様化、環境問題への対応など、企業は様々な課題に直面しています。
その中で、競争優位性を維持強化していくためには、製品の根幹をなす「材料開発」の革新が不可欠です。
従来の材料開発は、研究者の経験と勘に基づいた試行錯誤的な実験が中心であり、多大な時間とコストを要していました。
しかし、近年、AIやビッグデータ技術を駆使した**マテリアルズインフォマティクス(MI)**が登場し、材料開発に革命をもたらしています。
MIは、材料開発の期間を大幅に短縮し、コスト削減、高性能な新材料の創出を可能にする、まさに「次世代の材料開発」といえるでしょう。
本コラムでは、MI導入の必要性について、以下の3つの章に分けて解説いたします。
1. 材料開発の現状と課題
従来の材料開発は、研究者の経験と勘に頼るところが大きく、以下のような課題を抱えています。
- 開発期間の長期化:新材料の開発には、平均で10年以上、長いものでは20年以上かかることも珍しくありません。
- 開発コストの増大:試行錯誤的な実験には、膨大な費用と人材が必要です。
- 偶然性に依存した開発:新材料の発見は、多くの場合、偶然の産物に頼っています。
これらの課題は、企業の競争力や収益性を阻害する要因となっています。
例えば、ある調査によると、新製品の開発期間が1年遅れるごとに、その製品の収益は最大30%減少すると言われています。
また、開発コストの増大は、製品価格の上昇や研究開発投資の抑制につながり、企業の成長を阻害する可能性があります。
2. MIが注目される背景
MIは、AIや機械学習、データサイエンスの手法を材料開発に応用することで、上記のような課題を解決する革新的な技術です。
MIが注目される背景には、以下の要因が挙げられます。
- データ量の爆発的増加:近年、材料に関するデータ量が飛躍的に増加しており、MIに活用できるデータが豊富に存在します。
- 計算能力の向上:コンピュータの処理能力が向上し、複雑な計算を高速に実行できるようになりました。
- AI技術の進化:深層学習などのAI技術が進化し、材料データの解析精度が向上しました。
これらの要因により、MIは近年急速に発展し、多くの企業で導入が進められています。
3. MI導入によるメリット
MIを導入することで、企業は以下のようなメリットを享受できます。
- 開発期間の短縮:MIを活用することで、新材料の開発期間を従来の1/10に短縮できる事例も出てきています。
- 開発コストの削減:無駄な実験を削減することで、開発コストを大幅に削減できます。
- 競争力強化:高性能な新材料を迅速に開発することで、市場競争力を強化できます。
- 新規事業創出:MIによって新たな材料特性を発見し、新規事業の創出に繋げることができます。
例えば、ある化学メーカーでは、MIを導入することで、新材料の開発期間を3年から1年に短縮し、開発コストを50%削減することに成功しました。
また、ある自動車メーカーでは、MIを活用して軽量かつ高強度な新素材を開発し、燃費向上と安全性向上を実現しました。
MIは、企業の競争力を強化し、持続的な成長を促進するための重要なツールと言えるでしょう。
次回のコラムでは、MIで何ができるのか、具体的な活用事例と可能性について解説いたします。
追伸
MI導入だけでなく、専門的なAI構築、そのためのデータプラットフォーム構築に関するご相談は、いつでも承っております。 お気軽にお問い合わせください。